ハイエースのガソリン車で後悔しない!ディーゼル比較と選び方完全版

ハイエースガソリン車の画像
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仕事にも趣味にも大活躍のハイエースですが、いざ購入を検討すると「ガソリン車を選んで後悔したくない」という点が気になる方も多いのではないでしょうか。

永遠のテーマともいえる、ディーゼル ガソリン どっちが良いかという問題。巷でささやかれるガソリン パワー不足は本当なのか、そしてガソリン 4WD 燃費の実態はどうなのか。雨天時の走行でガソリン 2WD 後悔につながるケースや、気になるガソリン車 寿命についてなど、その悩みは尽きません。

この記事では、そうした疑問や不安を解消するために、あらゆる角度からハイエースのガソリン車を徹底解説します。

人気のスーパーGL 4WD ガソリン 新車という選択肢から、お得な4WD 中古車の選び方、そして「ガソリン車は本当に壊れないのか」という耐久性の問題まで、詳しく掘り下げていきます。もちろん、比較対象となるディーゼル 注意点も踏まえつつ、どのような使い方であれば「ガソリンで十分」と言えるのかを明らかにします。

この記事を最後までお読みいただければ、きっとあなたにとって後悔のない、最高のハイエース選びができるはずです。

記事のポイント
  • 利用スタイルで変わるエンジン選択の最適解
  • ガソリン車の具体的な弱点とその対策方法
  • ガソリン車の寿命とメンテナンスの重要性
  • 人気グレードや中古車選びの重要ポイント

ハイエースのガソリン車で後悔する理由とは?

ハイエースのガソリン車で後悔する理由とは?
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  • ディーゼルとガソリンどっちを選ぶべきか
  • 坂道で感じるガソリンのパワー不足
  • 気になるガソリン4WDの燃費
  • 雨の日に不安?ガソリン2WDで後悔する?
  • ガソリン車の寿命はディーゼルより短い?

ディーゼルとガソリンどっちを選ぶべきか

ハイエースの購入を検討する際、多くのユーザーが最初に直面するのがエンジンタイプの選択です。具体的には「ディーゼル」と「ガソリン」のどちらを選ぶべきかという問題であり、この選択が後の満足度や後悔に直結するため、非常に重要になります。結論から言うと、どちらか一方が絶対的に優れているわけではなく、あなたの使い方や価値観によって最適なエンジンは異なります。

それぞれのエンジンには明確な特徴があり、それを理解することが後悔しないための第一歩です。例えば、仕事やキャンプで長距離を頻繁に走行し、月々の燃料費を抑えたいのであれば、ディーゼル車が有力な選択肢となるでしょう。ディーゼルエンジンは燃費性能に優れているだけでなく、使用する軽油がガソリンよりも安価であるため、走行距離が延びるほど経済的なメリットが大きくなります。

一方で、クルマの購入時にかかる初期費用を少しでも抑えたい、あるいは主に街乗りで、たまに高速道路を走る程度の使い方であれば、ガソリン車が適している場合があります。ガソリンエンジン搭載モデルは、ディーゼル車に比べて車両価格が数十万円単位で安く設定されているのが一般的です。また、エンジン音が静かで振動も少ないため、同乗者の快適性や、車中泊時のアイドリング音を気にする方にとっては大きな魅力となります。

このように、ハイエースのエンジン選びは、ご自身のライフスタイルを深く見つめ直す良い機会です。以下の表で両者の違いを比較し、どちらのモデルがご自身の愛車としてふさわしいか、じっくり比較検討してみてください。

比較項目ガソリンエンジンディーゼルエンジン
車両価格比較的安い比較的高い
燃料の種類レギュラーガソリン軽油
燃料単価比較的高い比較的安い
燃費性能標準的(約8〜9km/L)優れている(約11〜12km/L)
走行性能(トルク)高回転域でパワーを発揮低回転域から力強い
静粛性静かで振動が少ない特有の音と振動がある
メンテナンス標準的なオイル交換などオイル交換頻度が高め、AdBlue補充が必要
リセールバリュー標準的非常に高い傾向
おすすめのユーザー初期費用を抑えたい、年間走行距離が短い、静粛性を重視長距離移動が多い、ランニングコストを重視、重い荷物を積む

坂道で感じるガソリンのパワー不足

坂道で感じるガソリンのパワー不足
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ハイエースのガソリン車を選んで後悔する理由として、しばしば挙げられるのが「パワー不足」の問題です。もちろん、これは全ての状況で感じるわけではありません。空荷の状態で平坦な市街地を運転する限りにおいては、多くの場合、力不足を感じることは少ないでしょう。しかし、特定の条件下では、このパワー不足が顕著になり、運転中にストレスを感じる原因となる可能性があります。

特にその違いが明確になるのが、坂道での走行時です。ハイエースにキャンプ道具などの重い荷物を満載していたり、家族や友人を乗せて定員に近い状態で山道や高速道路の長い上り坂に差し掛かったりすると、ガソリンエンジンでは力不足を実感する場面が増えてきます。アクセルを深く踏み込んでも、期待するほどの加速感が得られず、エンジンの回転数だけが上昇して「うなる」ような音を立てる、いわゆるキックダウンが頻繁に起こりがちです。

これは、ガソリンエンジンがディーゼルエンジンと比較して、エンジンの低い回転域で発生するトルク(タイヤを回転させる力)が小さいことに起因します。ディーゼルエンジンであれば、アクセルを少し踏み足すだけでグッと前に進むような場面でも、ガソリンエンジンではもう一段階アクセルを踏み込む必要があり、この反応の差が「走らない」「もたつく」といった感覚につながるのです。

もちろん、2.0Lガソリンエンジンと2.7Lガソリンエンジンではパワーに差があり、後者の方が余裕はあります。それでも、重量が増えると同じような傾向が見られます。もし、あなたが荷物をたくさん積んでアウトドアに出かける機会が多い、あるいは高速道路での追い越しや合流で、常に余裕のある力強い加速を求めるのであれば、ガソリン車の選択は慎重になるべきかもしれません。このパワー不足という点が、購入後の後悔につながるか否かは、あなたのハイエースの使い方と、運転に求めるフィーリング次第と言えるでしょう。

気になるガソリン4WDの燃費

雪道や悪路での安定した走行性能を求めて4WDモデルを検討する方は多いですが、ハイエースのガソリン車で4WDを選択する場合、燃費の悪化は避けて通れない課題です。これが予想以上の負担となり、後悔につながるケースも少なくありません。

ガソリン4WDモデルの燃費が悪化する主な理由は2つあります。一つは、駆動システムに関連する部品が増えることによる「車両重量の増加」です。クルマは重くなるほど、動かすためにより多くのエネルギーを必要とするため、燃費は悪化します。もう一つは「駆動抵抗の増加」です。ハイエースの4WDは常に四輪に駆動力が伝わるフルタイム式であり、2WDに比べて走行時の内部的な抵抗が大きくなるため、これも燃費には不利に働きます。

それでは、実際にどれくらい燃費が違うのでしょうか。メーカーが公表しているカタログ燃費(WLTCモード)を例に見てみましょう。ハイエースバン(スーパーGL・2.7Lガソリン)で比較すると、2WDモデルの燃費が8.8km/Lであるのに対し、4WDモデルでは8.1km/Lとなっています。数値上ではわずかな差に見えるかもしれませんが、これはあくまで理想的な条件下での測定値です。

実際の走行、特に信号の多い市街地やストップ&ゴーを繰り返すような環境では、燃費はさらに落ち込みます。ユーザーからの報告を見ると、ガソリン4WDの実燃費は市街地でリッターあたり6〜7km/L台、高速道路を一定速度で走行してようやく9〜10km/Lに届く程度、という声が多く聞かれます。燃料タンクが70Lであることを考えると、満タンにしても走行できる距離は決して長いとは言えず、給油の頻度が増えることを覚悟する必要があります。

降雪地帯にお住まいの方や、キャンプなどで未舗装路に入る機会が多い方にとって、4WDの安心感は何物にも代えがたいメリットです。しかし、その恩恵を受ける機会が少ないのであれば、燃費という日常的なデメリットの方が大きく感じられるかもしれません。ご自身の使用環境で本当に4WDが必要なのか、そして燃費の悪化を許容できるのかを、購入前にしっかりと見極めることが後悔しないための重要なポイントとなります。

駆動方式 (2.7Lガソリン)カタログ燃費 (WLTCモード)実燃費の目安 (市街地)実燃費の目安 (高速道路)
2WD8.8 km/L約7~8 km/L約9~11 km/L
4WD8.1 km/L約6~7 km/L約9~10 km/L

雨の日に不安?ガソリン2WDで後悔する?

雨の日に不安?ガソリン2WDで後悔する?
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ハイエースのガソリン2WDモデルを選ぶ際に、一部のユーザーが後悔するポイントとして「雨天時や滑りやすい路面での走行安定性」が挙げられます。特にハイエースは、エンジンを車両前方に置き、後輪を駆動させるFR(フロントエンジン・リアドライブ)方式を採用しているため、特有の挙動を示すことがあります。

この現象が最も起こりやすいのは、荷物をあまり積んでいない、車体が軽い状態の時です。後輪に十分な重さ(荷重)がかかっていないと、タイヤが路面を捉える力が弱くなります。そのため、雨で濡れた上り坂での発進や、マンホールの上、駐車場の白線といった滑りやすい場所でアクセルを踏むと、後輪が「ザザッ」と音を立てて空転してしまうことがあるのです。また、高速道路のカーブや路面の継ぎ目で、後輪が不意に滑るような感覚を覚え、ヒヤリとした経験を持つユーザーも少なくありません。

例えば、雨の日のキャンプ場で、少しぬかるんだ芝生の坂を登ろうとした際に、タイヤが空転して進めなくなってしまった、という状況は十分に考えられます。このような経験を一度でもすると、「やはり4WDにしておけばよかった」と後悔につながる可能性があります。

もちろん、この問題は常に発生するわけではありません。対策として、ある程度の重さの荷物を常に荷室に積んでおくことで、後輪のトラクション(駆動力)を確保する方法があります。また、メーカーオプションのLSD(リミテッドスリップデフ)を装着することで、左右のタイヤの回転差を制御し、空転を抑制することも可能です。さらに、急なアクセル操作を避け、じわりと踏み込むような丁寧な運転を心がけるだけでも、スリップのリスクは大幅に軽減できます。

結論として、ハイエースの2WDで後悔するかどうかは、あなたの主な使用環境に大きく依存します。主に乾いた舗装路を走行し、丁寧な運転を心がけている方であれば、過度に心配する必要はないでしょう。しかし、雨や雪の日の運転が多い、あるいは坂道の多い地域にお住まいで、常に安定した走行性能を求めるのであれば、4WDモデルを選択肢に入れることを強くお勧めします。

ガソリン車の寿命はディーゼルより短い?

「ディーゼルエンジンは頑丈で長持ち、ガソリンエンジンは寿命が短い」という話は、クルマ好きの間で長年語られてきた定説のようなものです。そのため、ハイエースを長く乗りたいと考える方ほど、「ガソリン車を選んだら、すぐに寿命が来て後悔するのではないか」と不安に思うかもしれません。

確かに、ディーゼルエンジンは高い圧縮圧力に耐えるために、エンジン本体が非常に頑丈に設計されており、構造的に耐久性が高いことは事実です。しかし、これが即座に「ハイエースのガソリン車は寿命が短い」ということにはなりません。なぜなら、ハイエースというクルマ自体が、仕事での過酷な使用を前提とした「商用車」として開発されているからです。そのため、搭載されているガソリンエンジンも、一般的な乗用車のエンジンとは比較にならないほどタフな設計となっています。

実際に中古車市場を見てみると、走行距離が10万km、20万kmを超えたガソリンモデルのハイエースが、今なお現役で数多く活躍しています。ユーザーの評価を見ても、適切なメンテナンスを続けていれば30万km以上走ることも決して珍しい話ではありません。

クルマの寿命を左右する最も重要な要素は、エンジンタイプそのものよりも、むしろ「どのようにメンテナンスされてきたか」です。以下の表に示すような定期的なメンテナンスを怠らなければ、ガソリン車であってもその寿命を大幅に延ばすことが可能です。

メンテナンス項目交換・点検の目安内容と重要性
エンジンオイル交換5,000km~1万kmまたは半年に1回エンジンの潤滑や冷却を担う最も重要な消耗品。劣化すると燃費やエンジン寿命に直結します。
オイルフィルター交換オイル交換2回に1回オイル内の不純物を取り除くフィルター。オイル交換と同時に行うのが効率的です。
エアフィルター点検・交換2万km~3万km毎エンジンが吸い込む空気を綺麗にするフィルター。汚れが詰まるとパワーダウンや燃費悪化の原因になります。
スパークプラグ交換10万km毎(白金・イリジウム)ガソリンを着火させる重要な部品。消耗するとエンジン不調や始動困難につながります。
冷却水(LLC)交換車検毎または2~4年毎エンジンのオーバーヒートを防ぐ液体。定期的な交換で冷却性能を維持します。
バッテリー交換2~3年毎エンジン始動や電装品に不可欠。突然のバッテリー上がりを防ぐため、定期的な点検・交換が必要です。

逆に言えば、ディーゼル車であってもオイル管理を怠ったり、排ガス浄化装置(DPR)のメンテナンスを怠ったりすれば、高額な修理費用が発生するトラブルに見舞われることもあります。

したがって、ガソリン車の寿命を心配して選択をためらう必要はありません。中古車を選ぶ際は走行距離の数字だけでなく、過去のメンテナンス記録がしっかりと残っているかを確認し、購入後はご自身で愛情を持ってメンテナンスを続けていくこと。それが、ハイエースと長く付き合っていくための最も確実な方法です。

ハイエースのガソリン車で後悔しないための選び方

ハイエースのガソリン車で後悔しないための選び方
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  • 使い方次第ではガソリンで十分な理由
  • ガソリン車は壊れない?メンテナンスが重要
  • 人気のスーパーGL 4WDガソリン新車の魅力
  • お得に買うならガソリン4WD中古という選択肢
  • ディーゼル車を選ぶ前に知りたい注意点

使い方次第ではガソリンで十分な理由

ハイエースの購入を検討する際、力強い走りと経済性で評価の高いディーゼルモデルに目が行きがちです。しかし、全てのユーザーにとってディーゼルが最適解というわけではありません。むしろ、利用スタイルによってはガソリン車の方がメリットが大きく、「ガソリンで十分」と感じられるケースは数多く存在します。

その最大の理由は、ガソリン車が持つ「初期費用の安さ」と「優れた静粛性」にあります。まず、車両価格についてですが、同等のグレードで比較した場合、ガソリン車はディーゼル車よりも数十万円安く設定されています。この価格差は非常に大きく、浮いた予算をキャンプ道具や内外装のカスタム費用に充てるといった、カーライフをより豊かにするための選択肢が生まれます。

また、静粛性の高さもガソリン車の大きな魅力です。特に、ハイエースをファミリーカーとして使用する場合、車内での会話や音楽を快適に楽しむ上で、エンジン音や振動は少ないに越したことはありません。ディーゼル特有の「カラカラ」という音やブルブルとした振動が少ないガソリン車は、長時間の移動でも同乗者の疲労を軽減してくれます。さらに、道の駅などで車中泊をする際に、周囲に配慮してアイドリング状態を保つ場合でも、静かなガソリン車の方が気兼ねなく過ごせるというメリットがあります。

年間走行距離が比較的短い、いわゆる「サンデーユース」の方にとっても、ガソリン車は合理的な選択です。例えば、年間の走行距離が1万km未満であれば、ディーゼル車の燃費の良さと軽油の安さで得られる経済的なメリットよりも、購入時の価格差の方が大きくなる可能性があります。

このように、ご自身のハイエースの使い方を具体的にイメージしたとき、下記の表のようなスタイルに当てはまるのであれば、ガソリン車は後悔のない、非常に満足度の高い選択となるでしょう。

こんな使い方ならガソリン車がおすすめ具体的な理由
週末の買い物やレジャーがメイン年間走行距離が短いため、ディーゼル車との燃料費の差が出にくい。
ファミリーカーとして快適性を重視エンジン音が静かで振動も少なく、同乗者が快適に過ごせる。
車中泊やキャンプでの利用アイドリング時の音が静かで、周囲に配慮しやすい。
購入時の初期費用を抑えたいディーゼル車より数十万円安く購入でき、その分を他の費用に充当できる。
短距離の「チョイ乗り」が多いディーゼル車が苦手とする短距離走行の繰り返しでも、比較的トラブルが少ない。

ガソリン車は壊れない?メンテナンスが重要

ガソリン車は壊れない?メンテナンスが重要
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ハイエースのガソリン車は、商用車としてのタフな設計思想に基づいており、非常に頑丈で壊れにくいという評価を得ています。しかし、この「壊れない」という言葉を「メンテナンスが不要」と誤解してしまうと、将来的に手痛い出費や後悔につながる可能性があります。どんなに頑丈なクルマであっても、その性能を維持し、長く乗り続けるためには適切なメンテナンスが不可欠です。

ハイエースのコンディションを良好に保つ上で最も重要なのが、エンジンオイルの管理です。エンジンオイルは、エンジン内部の部品を潤滑し、冷却や洗浄を行う血液のような役割を担っています。このオイルが劣化したり汚れたりしたまま走行を続けると、部品の摩耗が進行し、最悪の場合、エンジン本体の重大な故障につながる恐れがあります。メーカーの推奨する交換サイクルを守り、定期的に新しいオイルに交換することが、ガソリンエンジンを長持ちさせる基本中の基本です。

同様に、エンジンが吸い込む空気をきれいにするエアフィルターや、ガソリンに着火させるスパークプラグ、エンジンを冷却する冷却水など、多くの消耗部品がエンジンの性能を支えています。これらの部品も走行距離や時間の経過と共に劣化していくため、適切なタイミングでの点検・交換が欠かせません。

「壊れない」という評判を過信するあまり、これらのメンテナンスを怠ってしまうと、燃費が悪化したり、パワーが出なくなったりといった初期症状が現れ、最終的には高額な修理費用が必要となる事態を招きかねません。例えば、オイル交換を数千円で済ませられるところを、怠ったために数十万円のエンジン修理費用がかかってしまうのでは本末転倒です。

ハイエースのガソリン車が持つ優れた耐久性は、あくまで適切なメンテナンスという土台の上に成り立っています。愛車に長く、そして安心して乗り続けるためにも、定期的な点検と消耗品の交換を計画的に行い、日頃からクルマの状態に関心を持つことが何よりも重要です。

人気のスーパーGL 4WDガソリン新車の魅力

数あるハイエースのラインナップの中でも、特に高い人気を誇るのが上級グレードの「スーパーGL」です。このスーパーGLに、悪路走破性を高める「4WD」と、静粛性に優れる「ガソリンエンジン」を組み合わせた新車モデルは、一部で指摘される燃費などの懸念点を補って余りある、独自の魅力を持っています。

スーパーGLの最大の魅力は、商用車のイメージを覆す豪華な内外装にあります。外観はメッキ加飾が施されたフロントグリルやフォグランプ、ボディ同色のバンパーなどが標準装備され、スタイリッシュで洗練された印象を与えます。内装に目を向けると、肌触りの良いトリコット生地のシート、質感の高いインパネ周り、そしてオートエアコンといった快適装備が、まるで高級ミニバンのような上質な空間を演出します。仕事の道具としてだけでなく、プライベートな時間を過ごす空間としての満足度が、下位グレードのDXとは大きく異なります。

この上質な空間に、4WDシステムがもたらす「行動範囲の広さ」が加わります。キャンプ場へ向かう最後の未舗装路や、冬場のスキー場へのアクセスなど、天候や路面状況に左右されることなく、安心して目的地を目指せる走破性は、アクティブな趣味を持つユーザーにとって非常に心強い味方です。

そして、この組み合わせにあえてガソリンエンジンを選ぶことにも意味があります。前述の通り、ディーゼルモデルと比較して車両価格を数十万円抑えることができるため、「スーパーGLの豪華装備」と「4WDの安心感」という付加価値を手に入れつつも、購入価格を現実的な範囲に留めることが可能になります。また、スーパーGLが持つ静かな室内空間と、ガソリンエンジンの静粛性は相性が良く、走行中の快適性をさらに高めてくれます。

燃費やパワーの面ではディーゼルに一歩譲るかもしれませんが、「見た目の満足感」「内装の快適性」「どこへでも行ける安心感」そして「価格のバランス」を高い次元で満たしてくれるのが、スーパーGLの4WDガソリンモデルです。これらの価値を重視する方にとって、この選択は後悔のない、充実したハイエースライフの始まりとなるでしょう。

比較項目スーパーGLDX “GLパッケージ”
フロントグリルメッキボディ同色
ドアハンドルメッキブラック
シート表皮トリコット(上級生地)ジャージ(標準生地)
エアコンオートエアコンマニュアルエアコン
ステアリングホイールウレタン4本スポークウレタン3本スポーク
スライドドアイージークローザー標準装備オプション
フォグランプ標準装備オプション

お得に買うならガソリン4WD中古という選択肢

お得に買うならガソリン4WD中古という選択肢
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ハイエースの4WDモデルが持つ悪路や雪道での安心感は魅力的ですが、新車となるとその価格は決して安いものではありません。しかし、ここで視野を広げて中古車市場に目を向けると、「ガソリン4WD」というモデルが非常にお得な選択肢として浮かび上がってきます。賢くハイエースオーナーになるための一つの有効な手段と言えるでしょう。

中古車市場においてガソリン車がお得な最大の理由は、ディーゼル車の圧倒的な人気とリセールバリューの高さにあります。海外からの需要も高く、走行距離が延びていても高値で取引されるディーゼル車と比較して、ガソリン車は価格が落ち着く傾向にあります。そのため、同じくらいの年式や走行距離の車両でも、数十万円単位の価格差が生まれることも珍しくありません。この価格差により、新車では予算的に厳しかった上級グレード「スーパーGL」の4WDモデルも、中古車であれば十分に射程圏内に入ってくるのです。

ただし、価格的な魅力が大きい一方で、中古車は一台一台の状態が異なるため、購入前のチェックが何よりも重要になります。後悔しないために、以下のリストを参考に、車両の状態をじっくりと確認してください。

チェック項目確認するポイント重要度
メンテナンス履歴定期点検記録簿が揃っているか。オイル交換などの履歴が確認できるか。★★★★★
修復歴の有無車両の骨格部分に修理の跡がないか。販売店に必ず確認する。★★★★★
下回りの錆特に4WDは雪国での使用歴がある可能性も。マフラーやフレームに過度な錆や腐食がないか。★★★★☆
エンジンルームエンジン始動時の異音、オイル漏れ、冷却水の漏れがないか。オイルフィラーキャップ裏のスラッジも確認。★★★★☆
走行テスト加速や変速がスムーズか。走行中に異音や過度な振動がないか。ハンドルのブレも確認。★★★★☆
電装品の動作エアコン、パワーウィンドウ、ナビ、ライト類など全ての電装品が正常に作動するか。★★★☆☆
内装の状態シートのへたりや汚れ、タバコやペットの臭いがないか。仕事でハードに使われていた形跡も確認。★★★☆☆

特にハイエースのガソリン車は頑丈ですが、それは適切なメンテナンスが行われてきた上での話です。走行距離の数字だけに惑わされず、いかに大切に乗られてきたかを見極めることが重要です。信頼できる販売店で、これらの点をしっかりと確認し、納得のいく一台を見つけることができれば、中古のガソリン4WDは非常に満足度の高い買い物となるでしょう。

ディーゼル車を選ぶ前に知りたい注意点

ハイエースのディーゼル車が持つ力強いトルクや優れた燃費性能、そして高いリセールバリューは、多くのユーザーを惹きつける大きな魅力です。しかし、その輝かしいメリットの裏側には、ガソリン車にはない特有の注意点が存在します。これらを理解せずに選択してしまうと、「こんなはずではなかった」という後悔につながる可能性があります。ディーゼル車を選ぶのであれば、以下の点を事前にしっかりと把握しておきましょう。

まず一つ目は、エンジン音と振動の問題です。近年のクリーンディーゼルエンジンは大幅に静粛性が向上したとはいえ、ガソリンエンジンと比較すれば、特有の「カラカラ」というアイドリング音や、走行中のゴロゴロとした音と振動は明確に感じられます。この力強いフィーリングを「頼もしい」と感じる方もいますが、静かな車内環境を求める方や、同乗する家族が不快に感じる可能性も考慮しなくてはなりません。可能であれば、必ず試乗して実際の音や振動を体感し、許容できる範囲かどうかを確認することをおすすめします。

二つ目は、ガソリン車よりも手間とコストがかかるメンテナンスです。ディーゼルエンジンは、その構造上エンジンオイルが汚れやすく、ガソリン車よりも短いサイクル(半年または5,000km毎など)でのオイル交換が推奨されています。また、使用するオイルも排ガス浄化装置(DPF)に対応した専用品が必要となり、1回あたりの費用も割高になる傾向があります。さらに、4型後期以降のモデルでは、排ガスをクリーンにするために「AdBlue(アドブルー)」という尿素水を定期的に補充する必要があり、これも手間とランニングコストの一部となります。

そして最も注意したいのが、短距離走行との相性です。通勤や買い物などの「チョイ乗り」を繰り返すような乗り方をしていると、排ガスに含まれる煤(すす)を燃焼させるためのDPF自動再生がうまく機能せず、フィルターが詰まりやすくなります。DPFの警告灯が点灯し、性能が低下するだけでなく、最悪の場合は数十万円という高額なDPF交換費用が発生するリスクも抱えています。ディーゼルエンジンのコンディションを良好に保つためには、定期的に高速道路などを30分以上走行し、エンジンを高温にして煤を焼き切る機会を作ってあげる必要があるのです。

これらの注意点を理解し、ご自身の乗り方やメンテナンスに対する考え方と照らし合わせた上で、「問題ない」と判断できるのであれば、ディーゼル車は最高のパートナーとなってくれるでしょう。

ディーゼル車の主な注意点具体的な内容と対策
エンジン音・振動ガソリン車より音と振動が大きい。購入前に必ず試乗して許容範囲か確認することが重要です。
オイル管理オイル交換の頻度が高く、DPF対応の専用オイルが必要。1回あたりの費用も割高になる傾向があります。
AdBlueの補充4型後期以降は必須。数千km毎に補充の手間とコストが発生します。
DPF/DPRの詰まり短距離走行の繰り返しは苦手。警告灯点灯や高額な修理につながるリスクがあります。定期的な高速走行が必要です。
軽油の凍結リスク寒冷地では、その地域の仕様に合った軽油(寒冷地仕様)を使用しないと、燃料が凍結する可能性があります。

ハイエースのガソリン車で後悔しないための選び方 総括

ハイエース選びで後悔しないためには、エンジン選択が重要です。ガソリン車は初期費用が安く静粛性に優れますが、パワー不足や燃費が懸念点。一方、ディーゼルは力強く経済的ですが、価格や特有のメンテナンスに注意が必要です。ご自身の使い方と各モデルの長所・短所を天秤にかけることが、最適なハイエースと出会う鍵となります。

記事のポイントをまとめます。

  • エンジン選択は利用者の走行距離や用途によって最適解が異なる
  • 初期費用を抑えたい場合、ガソリン車はディーゼル車より有利である
  • 静粛性や乗り心地を重視するならガソリン車に分がある
  • 長距離移動が多いなら燃費と燃料費に優れるディーゼルが経済的
  • 重い荷物の積載や力強い走りを求めるならディーゼルが適している
  • ガソリン車は坂道や多人数乗車時にパワー不足を感じることがある
  • 4WDモデルは安定性が増す一方、燃費の悪化は避けられない
  • 2WDは荷物が軽い状態での雨天時や坂道でスリップしやすい
  • ガソリン車も適切なメンテナンスを行えば十分に長寿命である
  • クルマの寿命はエンジン種別よりメンテナンスの質に大きく左右される
  • 中古車市場ではガソリン4WDが価格的に魅力的な選択肢となる
  • 中古車選びでは走行距離以上に整備履歴の確認が重要である
  • ディーゼル車にはAdBlue補充など特有の維持管理と費用が必要
  • 短距離走行の繰り返しはディーゼルエンジンの不調を招くリスクがある
  • スーパーGLは豪華な内外装で乗用に近い満足感を提供する

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